(CNN) バイデン大統領が先週、2024年大統領選への再選出馬を表明した時、それが大西洋両岸の関係性に今後どんな意味を持つのか、粉色视频试看入口歐州の同盟國にははっきりしていた。 言うまでもなく、20年にバイデン氏當選のニュースが屆くと対岸の各國首脳は胸をなでおろした。トランプ大統領(當時)よりも典型的な民主主義指導者がホワイトハウスの住人になると思ったからだ。 だがトランプ政権の4年間にもたらされた被害を、バイデン氏がすべて元通りにできないことも承知していた。 何かと事を荒立てる指導者だったトランプ氏は、再三にわたって歐州の同盟國を批判した。チーズから飛行機にいたるまで、あらゆる分野で貿易戦爭をしかけると威嚇した。粉色视频试看入口北大西洋條約機構(NATO)の原則を疑問視し、歐州連合(EU)を中傷した。英國がEU離脫で法律上EUに支払わなければならない500億ポンド(現在のレートで約8兆6000億円)について、自分が英國の首相だったら単に支払わないと発言したこともあった。 歐州各國がトランプ政権の日々を完全に払拭(ふっしょく)できない理由は二つある。一つ目は、トランプ氏が一度なれたのなら、本人またはトランプ氏の同類が再び出てこないとも限らないからだ。もうひとつは、バイデン氏が貿易に関する保護主義や中國への最大限の圧力というトランプ政権時の外交政策をおおむね引き継いでいると歐州が考えているためだ。 少なくとも今後10年は、この二つの現実が歐州の対米姿勢や世界秩序での立ち位置に影響を及ぼすだろう。 歐州の外交官や政府関係者と話をすると、「信頼」という言葉が頻繁に出てくる。同盟國としての米國の意向はもちろん、米國の民主主義に対する信頼だ。 「1月6日の議事堂襲撃事件をふまえると、再び似たようなこと、あるいはもっと悪い事態が起きて政治體製が崩壊することがないと信頼できるだろうか。米國內の分斷を目の當たりにして、保護貿易主義的な『米國第一』政策が繰り返されないと信用できるだろうか」と歐州の上級外交官はCNNに語った。「この先も安泰だと言い切れない同盟國に過度に依存する餘裕はない」 こうした信頼の欠如と米國への全般的な猜疑心(さいぎしん)もあり、歐州では「戦略的自律」と呼ばれる政策に拍車がかかった。基本的には、歐州は外交政策で獨自路線を取り、米國への依存を減らそうとしている。この政策の主な狙いは歐州と中國の緊密な経済連攜の維持だが、このことは米國の2大政黨どちらにとっても受け入れがたいだろう。 フランスのマクロン大統領は先日、戦略的自律についての考えをやや歯切れの悪い言葉で語った。マクロン氏は米政治専門サイト「ポリティコ」の取材に対し、歐州は中國問題で「単に米國の追従者」であってはならないと発言し、波紋を呼んだ。中國が台灣を侵略した際に、歐州がどう対応するかという質問を受けての発言だったからだ。だがEU全體で見ると、中國に対する強硬的な姿勢に程度の差はあるものの、加盟する27カ國はいずれも戦略的自律を支持している。 昨今の米國に対する歐州の懸念から、EUでもとくに中國に懐疑的な一部の國ですら、中國問題で米國とは異なるアプローチを取るべきだとの意見を受け入れているのが現実だ。 だからといって、EUの全加盟國が新たな現実を歓迎しているわけではない。とりわけ東歐諸國からは、中國市場や安い労働力の魅力に目がくらみ、中國に経済的に依存しすぎる危険を懸念する聲もある。 「対中関係からリスクを除外しなければならない。ロシアの時はそれができなかった。中國のリスクを過小評価しているのではないかと心配だ」と東歐の外交筋は言う。「親ロシア派はかつて、経済協力が自分たちを守ってくれると言ったが、結局ロシアがガス供給を止めるのを防げなかった」 だが最大の強硬派でさえ、今は対中関係の完全解消よりもリスクの排除に言及し、EU各國の政府當局者はトランプ政権下でなされた歐米関係の変化を引き合いに出す。そうした変化の一部は、もう取り返しがつかないというのが歐州當局者の見方だ。 一方で米當局者は楽観的だ。いつか歐州が我に返り、貿易や技術開発で中國と対立を深め、中國の人権問題や南シナ海での活動を強く非難する米國の姿勢に近づくだろうと考えている。 「えてして米國は警告を知らせる存在だ。我々は中國問題で警鐘を鳴らしているが、歐州の耳に屆くまでにはもう少し時間がかりそうだ」と米政権當局者はCNNに語った。「歐州は中國との連攜を強めているが、最近では友好國があっというまに敵國になりうることも學んだ。中國による台灣侵攻の圧力が強まれば、歐州がどこまで脫中國にふみきるかが試されることになるだろう」 別の米當局者はCNNに対し、トランプ政権時に同盟國が學んだ教訓は、大統領が誰であれ米國との「恒久的な」関係の維持が重要だということであり、今は「現狀に満足」して「歐州の大國として米國が不可欠な存在」であることを失念すべきときではないと語った。 再び歐州に目を移すと、不可欠な存在という問いはやや違った風にとらえられている。「問題はあるものの、米國は避けることのできない友好國だ」と、先の上級外交官はCNNに語った。 米國內の政治的分斷もあり、歐州は米政府の発言を額麵通りに受け止めることができなくなったという意見がある一方、バイデン氏、あるいは同氏の後継者は関係改善にもっとやれることがあるはずだという聲もある。 「形だけでも構わないから、経済やサイバーセキュリティーなどでより緊密な協力関係を構築する努力をしてくれればいいのだが」と歐州當局者は言う。「例えば、EUと米國の貿易技術評議會は良い話し合いの場だが、今のところテクノロジーに重きを置き過ぎている。米國はインフレ抑製法についてもっと事前に通知し、EU経済にどんなマイナス影響があるか意見を求めることもできただろう」 內々で語られる本音はより明瞭だ。フロリダ州のデサンティス知事やトランプ氏が次期大統領に就任するよりも、バイデン氏続投のほうが歐州にとってはずっとありがたい。 だがここまでのところ、バイデン政権は歐米関係の大幅修復にむけて道を開くまでには至っていない。歐州は國際社會で我が道をゆくことにほぼ専念している。 いくつかの點で、こうした事態は避けられなかったし、必須だった。だがトランプ政権が落とした影やバイデン政権が継続する內向的政策により、他國への追従ではなく獨自路線を見つけようとする歐州の決意がかつてないほど固まっているのは否めない。そして今、このことが意味するのは、ウクライナ情勢を除けば過去10年で最大の外交課題となっている対中問題で、歐州が引き続き米國から距離を置くということだ。 ◇ 本稿はCNNのルーク・マクギー記者の分析記事です。 |